深夜に点く電灯、ひとりで動くテレビ、誰もいないはずのバスルームから聞こえる水音——こんな家に住んでいたら、あなたはどうする? 開発者のかえる。(KAERU)氏が公開した短編ホラー推理ゲーム『この家には4人しか住んでいません』は、そんな「家族以外の何か」がいる家を、プレイヤーが5日間じっくり観察する作品だ。対応プラットフォームはPC(ブラウザ)で、Unityroomにて無料公開されている。

舞台は「4人+犬」のはずの一軒家

打开网易新闻 查看精彩图片

本作の舞台は、ある4人家族が住む一軒家。父、母、娘、祖父の4人と、犬のコロが生活している。同家族は3か月前にこの家へ引っ越してきたそうだ。しかし、そんな穏やかな暮らしの裏で、夜中に物音がするなど奇妙な出来事が発生していた。プレイヤーは家族の誰でもない出来事が起きる家の5日間を追い、家で起こっている何かの真相へと迫っていく。

ゲームの見方はシンプルだ。時間経過にあわせて家の中の様子が描かれ、朝に父や娘が家を出たり、夜に家族が順に寝て静かになっていったりと、家族の行動が確認できる。タイムラインの操作が可能で、時間を変更すれば朝から夜まで24時間の家の状況を見られる仕組みだ。「台所にリモコンを置いたのは誰か」など、各日ごとの問題に答えながら家の様子を見守っていく。

「違和感メモ」が推理の鍵になる

家族が過ごす中、家には奇妙な出来事が発生する。真夜中に点く電灯。ひとりでに動くテレビ。誰もいないはずのバスルームから聞こえる水音。4人と犬のコロが暮らす家には、家族以外の何かが潜んでいる。家族のだれでもない出来事を見つけた際には、違和感メモとして記録。家族の行動を追い、違和感を探すことで、家で起こっている何かの正体へと迫っていくのだ。

プレイ時間は30分程度で、全20問に加えて最後には質問が待っている。問題文などを除いてテキストを用いず、家の様子を表現した画面で出来事を描写。一見平穏な家庭で静かに起こっている異常や緊迫した状況が、断片的な情報と限られた描写で表現されており、短いながらも結末も含めて遊びがいのある作品となっている。パズルホラーとも謳われているが、恐怖を煽るような演出が極めて控えめな点も特徴だろう。

試作からアップデートでエンドが増加

本作は、開発者のかえる。氏が手がけている。同氏のX(旧Twitter)アカウントを見る限り、過去作としてはUnityroomやノベルゲームコレクションにフリーゲームを公開。パズルゲーム『寄木の秘密箱 -3D謎解き- 』や『還り淵 ―七日目の送り―』など、ミステリーやホラーを題材とした作品を多数公開してきたようだ。

『この家には4人しか住んでいません』は、Unityroomにて10月に公開。試作の段階での投稿だったというが、SNSでちょっとした注目を集めていた。その後、10月4日にアップデートが実施され、エンド数が2から6に増加。試作ながらトゥルーエンドも追加されたことで、本作の真相までゲーム内で終えるようになっている。なお同じ形式で新しいストーリーを思いついたといい、今後シリーズ作のリリースも検討されているようだ。

「静かな異常」をどう読むか

この作品の面白さは、ホラーでありながら驚かせる演出に頼らないところにある。派手なジャンプスケアではなく、家族の何気ない行動と、その合間に紛れ込む「誰のものでもない出来事」を突き合わせて推理する。肯定派の視点でいえば、30分という短さで全20問+最後の質問まで含めた密度は十分で、無料という点も含めて「まず触ってみる」ハードルは低い。

一方で、恐怖演出が控えめなぶん、刺激的なホラーを求める人には物足りなく映るかもしれない。テキストをほとんど使わず画面で語る構成も、読み解く手がかりが限られるという意味では、人を選ぶ部分だ。ただ、違和感メモに記録しながら家族の行動を追うという遊び方は、推理の手応えを求める層には噛み合いやすい。

判断はシンプルだ。ホラーというより「観察して推理する」体験を求めているなら、PC(ブラウザ)で無料公開中なので試す価値はある。逆に、怖さそのものを目的にしているなら、演出の控えめさは先に知っておいたほうがいい。4人と犬のはずの家に何がいるのか——その答えは、5日間の家を見つめた先に用意されている。