「ただ好きで、やり続けていただけ」と本人は繰り返し語っている。第９０回アカデミー賞で、日本人で初めてメークヘアスタイリング賞を受賞した辻一弘氏（４８）。映画「ウィンストンチャーチル／ヒトラーから世界を救った男」の主演ゲイリーオールドマンを第６１代英首相へと大変身させた特殊メークが評価されたのである。開発に６カ月、毛穴や毛細血管まで精巧に製作。「魔法使いみたいだ」とオールドマンらをうならせた。
“只是因为喜欢，一直做着而已。”他本人一直这样说着。在第90届奥斯卡上，日本人首次获得了最佳化妆与发型设计奖，获奖者是辻一弘（48岁）。他为电影《至暗时刻》的主演加里·奥德曼化妆成第61代英国首相的成功造型受到了好评。开发历时6个月，小到毛孔、毛细血管都制作精良。奥德曼赞赏说“就像使用了魔法一样”。
辻氏は１９６９年、京都府出身。「スターウォーズ」で映画に魅せられ、甲子園でも知られる現龍谷大付属平安高校在学中に米特殊メークの巨匠ディックスミス氏（享年９２）の住所を雑誌で知って、手紙を出したのが特殊メーク道の始まりだった。月に１～２通ものやりとりで「米国にもメークのいい学校はない。自分で勉強しなさい」との助言を受け、洋書を読み漁り、自分の顔を練習台に腕を磨いた。 辻一弘1969年出生在京都府。被《星球大战》的电影感染，当时在龙谷大附属平安高中（现名，在甲子园很出名）在籍的它从杂志上得知了美国特殊化妆巨匠迪克史密斯（享年92岁）的住址，于是给他写信，从此开始了他特殊化妆的道路。每月通信1-2次，史密斯鼓励他“美国也没有好的化妆学校，你要努力自学”，于是他一边读英文书，一边用自己的脸做练习。
高校卒業後、来日した師匠スミス氏の誘いで上京。黒沢清監督「スウィートホーム」（８９年）のスタッフを皮切りに映画業界入りし、黒沢明監督「八月の狂詩曲」（９１年）、「ミンボーの女」（９２年）などを経て、９６年に渡米。以来ロスを拠点に「ＰＬＡＮＥＴ ＯＦ ＴＨＥ ＡＰＥＳ／猿の惑星」（２００１年）などでメークを担当し、３回目のアカデミー賞ノミネートでの受賞となった。 高中毕业后，应来日的史密斯的邀请来到东京。以参加黑泽清导演的电影《甜蜜之家》（89年）拍摄为开端进入电影节，又参加了黑泽明导演的《八月的狂诗曲》（91年）、《民暴之女》（92年），与96年赴美。之后，以洛杉矶为中心，担任了《人猿星球》（2001年）的化妆师，并三次获得奥斯卡提名。
今回は「君がメークを担当してくれなきゃ役をやらない」とオールドマンからの熱烈オファーに応えてのものだった。映画宣伝の高田理沙さんが言う。 据电影宣传负责人高田理沙说，奥德曼曾热情地邀请辻一弘“如果不是你担任化妆师，我就不参演了”。
「辻さんは専門学校の特殊メーク科の講師もされていることから、毎年帰国されています。同じ道を夢見るお弟子さんたちから慕われていました。『物事には前例というものがあって、参考にもなるけれど、それが自分にあったやり方かどうかは分からない。こだわりを持って、自分しかできないことを目指す、そして自分の可能性を信じて一度は日本を出て世界を見るべきだ』と指導されているそうです。実際そうされて、熱い情熱と努力を重ねて成功をつかんだのが辻さんだと思います。最初はスミス氏との文通などで独学。『伝えたいことがあって書き続けていたら英語は自然に身についたんです』とおっしゃっていました」 “辻一弘现在也在专门学校担任特殊化妆课程的讲师，每年都会回国。他的弟子们也有着同样的梦想。他教导他的弟子们‘虽然有先例，可以成为参照，但这先例是否适合自己却不得而知。应该保持自己的个性，相信自己的能力，有机会的话，去日本以外的世界开拓眼界。’实际上，辻一弘正式践行这样的理念最终获得了成功。最初是通过和史密斯的通信等自学。‘有想要表达的事情，所以写着写着英语能力自然就提升了’他这样说。”
１２年以降は現代美術作家として活動、ウォーホルやリンカーン、ダリら著名人の顔を再現する精巧なアートでも才能を発揮している辻氏。映画界から離れた理由のひとつとして、映画ジャーナリスト猿渡由紀さんのインタビューで、こんなコメントが公開されている。 12年以后作为现代美术作家活跃着，再现了沃霍尔、林肯、达利等名人的脸，表现了他精湛的技艺。电影记者猿渡由纪公布了这样一段采访记录，说明了他离开电影界的其中一个理由。
「人生がんばって仕事をしてもあと４０年、このまま続けても幸せになれるのかなとも思い始めて（中略）やっぱり自分の本当にやりたいことをやるべきだと思ったんです」 人生拼命工作，也只剩40年，于是我开始想一直这样做会幸福么？（中略）我想，还是应该做自己真正想做的事。
人生の岐路でも、名誉やカネ勘定ではなく、そのときの自分の志に従ったようだ。今回の受賞でも「賞はおまけ。名声よりどう満足して生きるか」と話している辻氏の言葉に背中を押される人は少なくないはずだ。 在人生的歧路上，无关名誉和金钱，而是要遵从自己当时的意志。这次的得奖“这个奖只是一个礼物。比起名声，更要考虑怎样更满足地活着。”辻一弘的话应该激励了不少人。
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